VPNの合法性について

VPNの合法性について

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VPNは、地域的に制限されたコンテンツのブロックを解除し、インターネット上のトラフィック(通信)を暗号化し、不要な広告を表示させないために使用することができます。しかしながら、VPNが本当に合法なのかどうかを誰もが一度は考えたことがあるはずでしょう。現時点でVPNの合法性に関しては、ユーザーが滞在している国と、VPNの使用方法によります。

今回はVPNが違法となる国や法律違反になることを回避する方法について詳しく紹介します。

VPNとは?

VPNは「Virtual Private Network」の略称で、基本的に公共のネットワーク全体に拡張可能ですが、ユーザーはVPNプロバイダーが保有するサーバーを通してプライベートで安全な状態を保ちながらネットワークに接続し、データを送受信することができます。このプライベートネットワークを使用するメリットとしてはセキュリティ面をはじめ、匿名性、ネットワーク管理、および認識されるIPアドレスを変更する能力が大幅に向上することが挙げられます。

VPNは、インターネット上のトラフィックを隠したり、地域的な制限など様々な要因でアクセス不可能なWebサイトにアクセス可能にしたり、ISPのスロットルを克服したり、政府機関等の検閲を回避するためなど、多くの場面で使用できる強力なツールであるため、現在、VPN使用の可否に関する議論はとても注目されています。

アメリカでVPNは合法なのか?

はい、アメリカではVPNは完全に合法です。アメリカ、イギリス、カナダ、欧州、オーストラリア、アジアの大部分、および南米を含む世界中のほとんどの地域では、VPNサービスを利用することは特に問題はありません。

VPNを使用することは完全に合法ではありますが、違法行為を隠すためにVPNサービスを使用することは犯罪です。現在、多くの人がVPNを使用していますが、それは完全に合法というのが正当な理由といえます。公共のWi-Fiに接続する際にデータを保護するために使用するのは何も悪いことではありません。

加えて、VPNを使用して地域的に制限されたコンテンツのブロックを解除することは合法です。Amazon Prime Videoやその他の有料配信サービスのブロックを解除するためにVPNを使用する場合は、正規の使用料を支払えば特に問題はありません。

海外でVPNは違法なのか?

ユーザーの滞在している国でVPNは完全に合法かもしれませんが、旅行先ではそうではないかもしれません。旅行先のホテルの部屋からNetflixを視聴しようと思っても、その滞在している国でVPNの使用が禁止されているケースもあります。

しかしながら、VPNの利用を完全に違法とみなしている国はほんの一握りです。これに関しては個人のプライバシーを侵害するもので、情報へのアクセスの自由を著しく阻害するものといえます。たとえば、ロシアでは国営以外のメディアにアクセスするのが難しいです。また、VPNを規制し、その使用に対してより厳しい規制を課している国も存在します。

こちらでは、VPNを全面的に禁止していたり、厳しく規制している国をいくつか紹介します。

イラクとベラルーシ

ベラルーシ国内では、2015年から政府に対する抗議行動を国民が行ないにくくする手段としてVPNの使用が禁止されました。イラクでは、ISISのオンライン上での拡大を防ぐためにVPNが禁止されました。イラク当局はISPを規制するのではなく、VPNを使用するユーザーを逮捕しています。

UAE(アラブ首長国連邦)

UAEではVPNは違法ではありませんが、犯罪で有罪判決を受けた場合は量刑に影響するので、外国人観光客は特に注意するべきでしょう。たとえ自国では合法でも、ドバイでは違法とみなされる行為もあります。例えば、ギャンブルは違法であり、VPNを使用してオンラインカジノにアクセスした場合は、さらなる罰則を受けることになります。

中国

中国が誇る「グレートファイアウォール」は、不適切とみなされたコンテンツ、サービス、製品へのアクセスを阻止することで有名です。これは外国のニュースアウトレットやFacebook、Snapchatなどの人気ソーシャルメディアサイトにまで及び、中にはいくつかの主要なVPNウェブサイトでさえ、中国ではブロックされてしまいます。しかし、VPNは国際的なビジネスにおいては欠かせないものなので、全面的に禁止されているというわけではありません。 

インド

最近、データ収集に関する法改正により、インドで運営されているVPNサービスは顧客情報を収集し、維持する必要性があることが明らかになりました。これは本来のVPNを使用する目的に完全に反したものだったため、多くの大手サービスプロバイダーはインドから撤退しました。このようにインドではVPNが違法であるというよりも、その有用性が著しく低下しているといえるでしょう。

ロシア

前述した通り、実際には違法ではありませんが、ロシアではVPNの使用は厳しく取り締まられ、規制されています。多くのVPNはブラックリストに掲載されており、VPNを使用して禁止されているウェブサイトにアクセスすることは違法です。たとえ、Facebookをチェックしたり、BBCのニュースを見たりするだけでも逮捕される可能性も十分あるので旅行する際は気をつけましょう。

VPNを使用した違法行為について

VPNを使用すること自体は合法ですが、違法行為を行なうためにサービスを使用することは違法といえます。アメリカ政府は、VPNサービスプロバイダーに対して、特定の裁判において情報を提供するよう圧力をかけています。

一般的にVPNを使用しないでも犯罪になることは、VPNを使用した場合にも犯罪となります。以下、VPNサービスがよく利用される違法行為をいくつか紹介します。

  • 違法な市場 – VPNはダークウェブに安全にアクセスするための不可欠なツールといえます。ダークウェブを利用することは違法ではありませんが、多くの違法な市場で違法な商品やサービスを売買することは違法です。VPNを使用することで個人情報を隠したとしても、殺し屋に依頼したり、武器を購入したりすることは犯罪であることに変わりはありません。
  • 海賊行為 – VPNを使用して音楽、映画、書物、その他の著作権で保護された素材をダウンロードすることは合法的ではありません。たとえ、VPNでIPアドレスを隠して実行したとしても違法になります。
  • インターネット犯罪 – いじめ、ハッキング、ストーカー行為。これらは全て比較的新しいサイバー犯罪で、VPNを使用することで簡単に行なうことができます。なりすましIPアドレスを使ったサイバー犯罪が増えていますが、もちろん全て違法です。

なぜVPNは合法なのか?

VPNは使う人によっては犯罪に使用される可能性は十分ありますが、なぜ合法なのでしょうか?その理由としては、VPNを使用する対価として多くのユーザーがVPNプロバイダーに月額料金を支払うという正当なサービスとして成り立っているからです。

次にインターネットにおける個人のプライバシーと人権に関しては守られるべきです。本人の同意なしにユーザーの個人データが売られてしまうこと自体間違っており、ユーザーは自分の個人情報を可能な限り保護することができるのが本来の正しい使用方法といえます。

まとめ

インターネットを安全に利用することは最も重要です。VPNはトラフィックを暗号化し、データを保護する最良の方法といえます。しかし、法律は変わることがあるので注意が必要です。プライバシーとインターネットセキュリティに関連する最新の法律について常に情報を把握することは良いアイデアといえるでしょう。TechRobotがおすすめする最適なVPNはアメリカ、カナダ、イギリスなどの大半の国で合法なので、どのVPNも自由に使用可能なので安心といえるでしょう。